2023.06.19

インプラントとフッ素の関係。気になるあの説の真相は？

フッ素は、むし歯予防に効果的と言われていますが、インプラントを劣化させるという説があるのをご存知でしょうか？本記事では、インプラントとフッ素の関係についてご紹介させていただきます。

＊インプラントとフッ素の説。真相は？

　
2016年11月、フッ素研究会から「9000ppm以上の高濃度フッ素を含有するフッ素塗布剤では著しいチタンの腐食が認められ、pHと溶存酸素濃度が低い口腔内環境では、さらにチタンの腐食が進む」という発表がありました。この発表を見聞きしたことがある方の間で、「インプラント治療後はフッ素入り歯磨き粉を使ってはいけない」という認識が広まったと考えられます。後に、フッ素研究会が「2017年まで9000ppmを誤って900ppmと掲載していた」ことを訂正し、お詫びのコメントを公式サイトで発表しました。

＊ご家庭で使用される歯磨き粉であれば問題ない

　
フッ素研究会の発表に間違いはありましたが、そもそもフッ素研究会が注意を促しているフッ素濃度は、国内で販売されている歯磨き粉では存在しない濃度です。日本国内の製造販売認証基準では、フッ素濃度は1500ppm未満とされている上、1000ppmを超えるフッ素濃度でも唾液と薄まるとされています。そのため、ご家庭でフッ素配合の歯磨きををご使用いただいても問題はありません。

＊インプラント治療後の歯磨き粉の選択について

　
国内で販売されている歯磨き粉のフッ素濃度は1500ppm以下と決められているため、心配する必要はありません。
しかし、海外からも個人輸入で気軽に歯磨き粉が買える時代、心配であれば歯科医院にて相談されることが望ましいでしょう。
また、フッ素濃度ではなく”粒子が荒い研磨剤”を使用している歯磨き粉は、インプラント周辺に粒子が残ってしまい、歯ぐきの炎症に繋がる可能性があるため使用は控えるようにしましょう。