2023.03.24

インプラントと総入れ歯、結局どっちが良いの？歯を全て失った時の選択肢について。

歯を全て失ってしまった、または抜かないといけないと診断された場合、歯科医師から選択肢として提示される治療法はインプラントか総入れ歯になります。
この記事を見ていらっしゃる方々も、現在インプラントにすべきか、総入れ歯にするかお悩み中なのではないでしょうか。

＊インプラントと総入れ歯の違い

特徴

インプラントは人工のネジを骨の中に埋入し、その上に人工歯を取り付けたものを言います。
骨の中に土台が入るため、審美製に優れ、今のご自身の歯と同じように噛めるという大きなメリットがあります。
しかし総入れ歯との違いとして、インプラントは手術が必要なため持病や歯周病などの影響で骨が少ない場合などに治療を受けられない可能性もあるので注意が必要です。

総入れ歯は上下全ての歯を失った際に、上下セットの入れ歯を総称して言います。インプラントと違い、骨に固定するのではなく、粘膜に唾液を介して吸着させる固定方法です。そのため、インプラントに比べサイズが大きくなると同時に慣れるまでは異物感が大きい可能性が高いです。

費用

インプラントの相場は1本あたり、約200,000〜600,000円程度です。

インプラントメーカーだけでなく、精密検査や外科手術、被せていく歯の材料代などさまざまな費用がかかるため、どうしても高額になってしまいます。
インプラントの本数を抑え、インプラントブリッジを入れるオールオン４（All-on-4）：片顎約2,000,000~3,000,000円程度、AGC：片顎約2,500,000〜3,500,000円程度など治療の選択肢もあります。
オールオン４の場合、4本のインプラントに対しフルブリッジを被せます。ブリッジとは、被せがひとつながりになっているものを言い、ネジで留めていくため家で取り外すことはできません。
AGCも同じく、インプラントに対しフルブリッジを被せますが、オールオン４よりもインプラントの本数が多いケースが多く、また歯科医院では取り外しがスムーズに行えるため、ネインテナンス時にはケアがしやすいというメリットがあります。

総入れ歯の相場は、保険適応のものから自由診療のものまで選択肢が色々あるため、金額の幅も大きいです。保険適応のものであれば3割負担で約12,000～15,000円となります。ただし、これは片顎の料金となるため、上下セットとなると約24,000〜30,000円の負担が必要となります。

自由診療の総入れ歯は、金属床といって保険適応の場合だとレジンという樹脂を用いたものに限られるのですが、コバルトやチタン、ゴールドなどの金属を用いることで熱の伝導性がよくなり、入れ歯の使用感が良くなると言われています。しかし、金属の値段の影響を大きく受けるため、片顎約200,000〜700,000円と歯科医院によっての価格差が大きくなります。

治療法

インプラントは事前の診断により治療法は変わりますが、一般的に精密検査・歯周基本治療・インプラント手術・最終的な被せ物を入れるための型取り・セット・メインテナンスが必要となります。総入れ歯に比べ、比較的治療期間が長くなる傾向にあります。
インプラントの種類や、ご自身の骨の量などによっては治療法も変わるため、事前のカウンセリングが重要となります。また、歯を失った原因によって、治療方法や期間も大きく変わるため、きちんと説明を受けた上で治療に挑みましょう。

入れ歯の場合、口腔内の状態によって治療期間の変動はありますが、インプラントに比べ比較的治療期間は短くなる傾向にあります。
治療義歯といって噛み合わせをみるための義歯を入れた上で顎の状態などの不調和が無いかを確認します。また、抜歯が必要な場合は歯を抜くと同時に治療義歯を入れる場合もあります。
早い方は1ヶ月以内に入れ歯治療が完了しますが、精度の高い入れ歯を作成するためには期間がかかる場合や、作製後も調整での来院が必要になります。

ケアの方法

インプラントのケアは、天然歯と同じく歯ブラシやデンタルフロスを使用してのケアが必要です。
天然歯との違いとして人工歯のため虫歯になることはありませんが、歯周病と同じような症状が発症するインプラント周囲炎のリスクはあります。そのため、毎日のケアはもちろんのこと、定期的な歯科医院でのメインテナンスを行い、口腔内を清潔に保ち定期的なチェックを受けることが望ましいです。

総入れ歯はインプラントと違い、取り外すことが可能です。食事後は入れ歯と粘膜の間に食渣が溜まるため、一度取り外し歯ブラシで磨きましょう。
また就寝時には取り外し、入れ歯洗浄剤などに浸けることで雑菌の繁殖や着色を防ぎ、清潔に使用することが可能です。
入れ歯は材質によっては歯のすり減りが出る場合や、歯茎が痩せることで入れ歯が合わなくなるケースがあるため、定期的に歯科医院でチェックしてもらうのが望ましいです。