サイナスリフトとは
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サイナスリフトは、上顎の骨の量が少なく薄いためインプラントを埋入すると副鼻腔の一つである上顎洞(サイナス)まで突き抜けてしまうと考えられる場合に行う骨造成手術です。
十分な骨量がないまま上顎のインプラント手術を行ってしまうと、埋め込んだインプラントが上顎洞に落ちてしまうなど大きなトラブルにつながってしまうため、サイナスリフトで骨量を増やすことでインプラント治療を安全に行えるようになります。
サイナスリフトは顎の骨の厚みが3mm以下、または広範囲に渡って多数の歯が欠損しているような場合に適応となります。 -
サイナスリフトとソケットリフト
サイナスリフトもソケットリフトも、インプラント埋入に必要な骨が足りない場合に行われる治療法です。それぞれには、以下のような違いがあります。
サイナスリフト ソケットリフト 骨の厚み 3mm以下 4~8mm 欠損の範囲 多数の歯が欠損している(広範囲) 一歯程度の比較的小さい範囲 インプラント手術のタイミング 骨移植後骨が定着してからインプラントを埋入する 骨移植とインプラント埋入を同時に行う 治療期間 6ヵ月程度 3ヵ月程度 身体への負担 大きい 少ない
サイナスリフトのメリット
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上顎の骨量不足を解決サイナスリフトを行うことで、インプラント治療に必要な骨量を増やすことができます。
これにより、今まで上顎の骨量が足りずにインプラント治療を断られていた患者様でも、骨を増やすことで治療が可能になりました。 -
インプラントの安定性向上サイナスリフトにより骨量が増えるとインプラントを埋入した際にしっかりと骨と固定することができ、治療後の安定性が高まります。
耐久性が向上することで長期にわたって安心して使用することができます。 -
対応可能な患者様の幅が広がる骨量が十分でないことからインプラント治療を断られてしまった方、治療に対してリスクの高い方でもサイナスリフトを行うことにより、インプラント治療を受けられるようになる可能性が高くなります。
より多くの方にインプラント治療を受けていただけるようになり、快適な生活を取り戻せます。
サイナスリフトの手順
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1
治療の開始
治療開始にあたり、局所麻酔で痛みを感じないような処置を行います。歯科治療や手術に対する恐怖心や緊張が強い方には、静脈内鎮静法という半分眠ったような状態で治療を行う方法もありますのでぜひ一度ご相談ください。
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2
窓を作成する
インプラントを埋入する部位の頬側の歯肉を切開し、顎の骨を露出させます。骨に窓と呼ばれる穴を開けるのですが、上顎洞と顎の骨の間にはシュナイダー膜という重要な膜があるため、傷をつけないように慎重に行います。
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3
骨補填材を充填する
窓から顎骨とシュナイダー膜を剥離し、骨補填材を入れるスペースを作ります。
そのスペースに必要な分だけの骨補填材を入れ込み、窓を塞いで歯肉を戻し縫合して手術が完了です。 -
4
安静期間を経てインプラント埋入
骨補填材をどれぐらい入れたかによっても変わってきますが、骨が再生されるまで3〜6か月ほどかかります。治癒期間は硬いものなどを噛まないようにして治療部位を安静に保ちましょう。骨が作られたことが確認できた後、通常のインプラント治療を行います。
サイナスリフトの費用
サイナスリフト | 132,000円(税込) |
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サイナスリフトの注意事項
- 術後には個人差がありますが腫れや痛みを生じることがあります。処方された鎮痛剤を服用し、医師の指示に従ってケアを行いましょう。
- サイナスリフトで骨を増やしてからのインプラント治療には長い治療期間が必要になります。特にサイナスリフト後は完全な骨再生を待ってからインプラントを埋入するため、予定されていた期間よりも長くなることがあります。治療期間を事前に相談し、計画的に通院しましょう。